-船戸 与一 『炎の回廊 満州国演義4』

「執政・溥儀が皇帝となり、満州国の正式名称は三月一日に満州帝国へと移行した。」からはじまり、二・ニ六事件、そして、この事件の余波というのがこの巻での時代。

[[第3巻の『群狼の舞』>船戸 与一 『群狼の舞 満州国演義3』]]を読み終わってから、どんどん辛い立場に追い込まれていく敷島四兄弟と早く決別したい、最終巻まで読みきってしまいたい、と思っていたからか、てっきりこの巻が最終巻だと思い込んでいた。3分の2ぐらい読み進んだあたりで、どうも終わりそうにない。本文の最後のページを見てみると、「・・・参考文献は最終巻に記載いたします。」。最終巻は次の巻だったかと愕然とする。

ラストは、敗戦か?・・・そして、特務機関の間垣徳蔵との因縁が明かされて・・・。

この巻では、二・ニ六事件について、くわしく書き込まれている。主要メンバーは誰で、それぞれがどのような行動を取り、どういう結末を迎えたのか。じっくり考えながら読もうと試みたのだけど、「武力を以て元老重臣を殺害すれば、天皇親政が実現し腐敗が収束する」とう決起理由も理解しがたいし、天皇親政を目指して決起したのに、天皇を激怒させたことにより鎮圧されることとなる経緯もわかりにくい。

ネットで調べてみると、「二・二六事件がわかりにくい理由」というのがあった。歴史の教科書でも小説でも映画でも、今まで何度も取り上げられている事件なのに、全く理解できていなかったのは、「わかりにくいからなのね」と、妙に納得。やっぱり、よくわからない・・・。

《2008.9.19読了》《2008.9.27記》

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