-映画『パンズ・ラビリンス』

  あなたも少女オフェリアと共に、めくるめく迷宮(ラビリンス)の旅へ

映画館で予告編を見ていて、ちょっと気味の悪いキャラが出てくる「ダーク・ファンタジー」だと思って見に行ったのだ。

土曜日の午前中、しかも、映画1000円均一の日。「子供が多いのか?でも、PG-12ってどういう意味だっけ?」と暢気に考えながら座席についてみると、ガラガラ。子供の姿もなし。

見終わってみて、予想していた内容を見事に裏切られた。これは、子供向きの映画じゃ全然なかった。

スペイン内戦後のつらい現実を生きる少女が、そこから逃れたいと願って自分の中に新しい世界を創り出すといった設定。
戦闘や拷問など悲惨なシーンも多くて、かなり重い映画。
ファンタジー部分も、満月の夜までに三つの試練に耐えるというしんどい内容。

帰ってから前日の夕刊を見ると、逢坂剛さんの評が載っていた。

  過酷な現実とファンタジーを融合させた、近来まれに見る傑作だ。
  スペイン現代史を凝縮したこの作品は、荒廃する今世紀への衝撃的な警鐘でもある。
  子役イバナがすばらしい!

「ああ、まさにその通りの映画だったよ。これを先に読んでいたら、この映画を見る心構えが違ったよ」と思ってしまった。

スペイン内戦について少しは興味があるのも、逢坂剛さんの小説を読んでいたからなので、これを読んだらきっと見に行ったと思う。

しかし、予告編を見た限りでは、テーマがどういうことで、どんな人に見て欲しいのかが伝わってこない。よくできた映画なのに、ガラガラだったのはもったいない。

ファンタジーの部分で牧神パンが重要な役割を演じているんだけど、「牧神パン」がどういった存在なのかがよくわかっていなかったので、オフェリアの幻想世界がいまひとつ理解できなかったのが残念。もう一度見てみたいような、怖いような・・・。

http://www.panslabyrinth.jp/

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