-奥田 英朗 著 『イン・ザ・プール』

   「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。
   色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。
   プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。
   こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。

薄い文庫本。友人に薦められて気軽に読んだんだけど、なかなかおもしろかった。

患者が訴える病状(?)も、精神科医の伊良部の行動も興味深くておもしろいんだけど、文章が視覚的。ドラマ化しやすそうな内容と長さなので、「このぶくぶくブーの伊良部は誰がいいか。」「看護婦のマユミさんは・・・」と、勝手にキャストを考えながら読んでしまう。

まあ、実際にドラマ化(映画化?)されているようだけど、それは見なくても自分の想像の世界で楽しませてもらったので、もういいかという感じ。

一番ありそうなのは、携帯電話中毒の高校生か。でも、火事を恐れて外出もままならないライターの男性、自分も家を出る前に何度も玄関先と窓やガスコンロを往復してしまう方なので、ひとごとだとは思えなかったり・・・。

二作目の『空中ブランコ』も読んでみよう。

《2008.2.16読了》

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