-東野 圭吾 著『白夜行』

文庫本で860ページの厚さ。「ちょっとひしゃげているけど、105円なら安いか」と古本を買ってきたのだ。

これまでに数冊読んだこの人の小説は、正直それほどおもしろいとは思えなかった。あんまり期待しないまま読み始めたのに、途中からはまってしまった。

1973年、大阪の廃墟ビルで質屋が殺される。容疑者が浮かぶが、結局、事件は迷宮入り。被害者の息子・桐原亮司と「容疑者」の娘・西本雪穂・・・この二人を軸とした19年にも及ぶ物語。

表面的には関係のなさそうな二人の関係も気になるし、年齢を重ねるにつれて変わっていく二人の周りの人間関係も興味深く描かれている。

時代設定も変化していくので、「そうそう、そういうことがあったよね」という楽しさもあるのだ。昔のパソコンの話なんかも出てくるので、「うちにもカセットテープでデータを読むパソコンがあったよ。『ピー、ヒャラヒャラヒャラ』と変な音がするし、読み込みに時間がかかって、よくエラーが出るんだよな」とか、「スーパーマリオ、あんなに流行っていたのに、やったことがないんだよねぇ」とか、あれこれ懐かしみながら読んでいたのだ。

ラストが近づくにつれて、「こんなに少ない枚数で真相が明かされるのか?」とハラハラ。「ああ、ここで終わるのか」という終わり方だった。二人の関係をもっとすっきりさせて欲しい気はするものの、この二人については彼らを取り巻く人間たちの視点でのみしか描かれていないので、本人の口から真相を明かさせるという終わり方はできないんだろうね。
-Geckoさん、こんにちは。「白夜行」東野作品の中で一番好きです。この お盆休みにも、また読みかえしました。もう何度も読んでますが、いつも寝食忘れて一気に読んじゃいます。彼の選んだ生き方が、ど〜しようもなく切なくて、桐原亮司に惹かれます。いちおう続編ということになる「幻夜」は、出版 やめて欲しかったなぁ・・・って感じなんですけどね(>_<;) 続編なんて ありえないでしょ・・・と思いながらも、それなりに期待して読んだだけに、裏切られた感“大”で、かなり幻滅しました。幻夜は、白夜行とは まったくの別モノか 姉妹編くらいに思って読まれるか、読まれないことをオススメします(*^-^*) -- [[凛]] &new{2005-08-19 (金) 15:36:39};

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