鬼は外、福は内

節分といえば、豆まき。そして、巻ずしの丸かぶり。子供の頃からうちでもやっていて、恵方(毎年違う)に向かって、巻ずしを丸かぶりで食べる。うちでは、「食べはじめたら、途中でしゃべったり笑ったりせずに、最後まで食べ切る」ように言われていた。でも、実際問題、夕食が巻ずしだけということはなく、他のおかずもいつもどおりに食べて、最後に巻ずしという感じだったので、普通サイズの1本を最後まで食べ切れなかったりするのだ。じゃあ、半分だけ食べようとすると、「包丁を入れるのは縁起が悪い」と言われ、食べられるところまで食べて、あとはかぶりついたままの状態で翌朝用に残すという、普段なら「そんなみっともないことはしたくない」ということになるのだ。

昔からある慣わしだと思っていたら、どうもそうじゃないみたい。2月2日の京都新聞に記事によると、もともとはバレンタインと同じマーケティングイベントだったらしい。大阪の海苔の組合が、1970年代後半にのりの販売量を伸ばそうと巻ずしの早食い競争を催した。これが、丸かぶりの始まりなんだって。「この風習は江戸時代末期、大阪の遊郭であった」とも書かれている。

へぇ、そうだったんだ。「なんだ、販売業者に乗せられているだけなんだ」と思っても、来年も巻ずしを食べそうだな。だって、普段でもときどき買ってくる、好きな食べ物のひとつなんだもん。もちろん、今年も買ってきた。今年の恵方は庚の方(西南西)。

小さなお面付の豆をもらった。撮影協力は、クマのクーとカエルのエル。クーが鬼になったのは、単に耳のあるやつの方が角のある鬼の面のおさまりがよかったからさ。豆を投げて追い出したりはしないからね。

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