やっと読み終わった。時間がかかった。文庫本なので、電車の中や待ち時間にしか読んでいなかったからというのもあるんだけど、なぜか眠くて眠くて・・・。そもそも随分前に衝動的に買って、読みかけて挫折していた本なのだ。

「秩父の山荘に七人の芸術大学生が滞在した日から、次々と発生する恐怖の殺人劇!」という内容。情景描写や人物描写、学生達の会話が古めかしい印象で、書かれた頃は新鮮だったのか、カタカナ語が頻繁に使われているのもますます古めかしく感じるのだ。

読み進むと東京の電話番号の話が出てきて、神田局が25の二桁。作者註として、「東京都の局番は1960年2月以降三桁になった」と書かれているので、それ以前の時代設定であることが判明。ああ、やっぱり・・・。

終盤に、星影竜三という、いかにもという名前の探偵が出てきて、真相が解明される。読み終えると、「ああ、そう。そういうことね。」と一応は納得。いたるところに伏線がはられていたことがわかるんだけど、どうもその結論を導き出すために長々と読まされてきたような気にさせられて、すっきりしなかった。

私が、最近この手の小説を読んでいないから余計かも。昔の創元文庫あたりのおかしな日本語の多いエラリー・クイーン本を読みあさっている頃にでも読んでいたら、もっと楽しめたように思うなあ。

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