ちょっと前に、「マイノリティ・リポート」を見た。近くのレンタルショップが半額セールをしていて、少し前の話題作だったので見てみるかと借りてきたのだ。

予知能力者(プリコグ)3人の能力を利用して、犯行前に犯人を逮捕する完璧なシステムを作りあげた犯罪予防局を率いる主人公(トム・クルーズ)が、プリコグの思いも寄らぬ予知により、潜在的殺人犯として追われる立場になるという設定。

見終わってまず思ったのは、「タイトルの『マイノリティ・リポート』がどうもしっくりこないなあ」ということ。

タイトルは「少数報告」という意味で、3人のプレコグが見た未来が一致せず、2人と1人に予知が別れた場合、少数意見は切り捨てられるということで、もちろん映画の中でも説明されている。でも、その「少数報告」がこの映画のキイとなるほどの役割を果たしたか、という点がひっかかったのだ。

で、フィリップ・K・ディックの原作を読んでみた。犯罪予防システムをテーマにする、映画とは全く違うストーリーだった。こちらは、「マイノリティ・リポート」がモチーフになっていて、「ああ、そういうことか」と納得のいく終わり方をしている。

映画は、モニター画面のデータを指でコントロールしたり、他人になりすますために網膜を取り替えたり、3人のプリコグが水面に浮かんでいたりとビジュアル的には工夫されていて楽しめたけど、やっぱり、タイトルは合っていなかったということがよくわかったよ。

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