同じ作者の『インターセックス』を読み始めてから、この『エンブリオ』の続編だということに気付き、 『インターセックス』を読み終わってから読んだわけなんだけど、「続編で、前編となる作品の真相を あそこまで明かす必要はなかっただろう」というのが正直な感想。 しょっぱなから岸川院長の知り合いの女優が変死。「この実行犯は○○だよね」。さらに、別の女性が登場。「この人はこういう手口で殺されるのよね」・・・と、真相をほとんど知っているから、おもしろさが半減。知っている事実を検証しているような読み方になってしまう。 サンビーチ病院の経営方針や院長の考え方など、作者が、今の医療の問題点をこんな形で提示されたかったのかと感じられる部分は多かった。 しかし、読む順番が悪かったのと、どうにもうやむやとしたものが残る部分もあって、読後感はあまりよくないかも。 2冊読み終わって、岸川院長とやっとおさらばできたので、なんだかほっとした気分。 《2008.12.4読了》《2008.12.10記》 |