• 『運命の書』

上下2巻。

 アメリカ合衆国大統領専用車を三発の銃弾が貫いた。
 弾は大統領の心臓をそれ、狙撃犯は逮捕されたが、側近の一人は無惨にも命を落とした。
 その八年後……。前大統領補佐官のウェスは死んだはずの男を目撃する。
 この事件には大統領が関与しているのか?
 ウェスは独自に調査を開始するが、何者かに命を狙われはじめる。
 フリーメイソンの謎やアメリカ第三代大統領ジェファーソンも使ったという暗号を盛り込み、
 息もつかせぬ展開で全米の睡眠時間を奪ったノンストップ・サスペンス・スリラー。
 世界20カ国で200万部を超える大ヒットを記録した超大作がついに登場!

新聞の書評を読み、本の帯を見てますますおもしろそうだと読み始めたのに・・・。

「全米の睡眠時間を奪った」???

これほどおもしろいと思えない本を読んだのは久しぶりで、ひそかに「3ページ読むと眠くなる本」と呼んでいて、寝る前に、少しずつ少しずつ読み進めて、ようやく読了。何日かかったのやら・・・。

何度も途中でやめようと思ったのだけど、これほどの宣伝文句を書く以上は、後半、特に終盤のストーリー展開が素晴らしいかもしれない・・・と、変な好奇心が湧き、読み終わらないとすっきりしない気にさせられたのだ。

しかし、最後の最後まで、期待はずれだった。

「フリーメイソンの謎やアメリカ第三代大統領ジェファーソンも使ったという暗号」・・・確かに出てくるけど、期待していたほどのウエイトではなく、そもそもフリーメイソンの謎はストーリー展開に大きく関わってくるようなものでもなかった。

そして、何といっても、登場人物に魅力を感じられなかった。

主人公のウェス・ホロウェイは、合衆国前大統領リーランド・マニングの下級補佐官。狙撃事件の流れ弾で、顔に深い傷を負い、精神的にも問題をかかえている。彼が好きになれなかったというよりも、まず、大統領という職にも、その補佐官という仕事にも、それほど興味が湧かなかったのが、最初にこの本にのめりこめなかった原因かもしれない。

あとの登場人物は、狙撃犯のニコに、“ザ・スリー”と呼ばれる三人に・・・ウェスと行動をともにする元同僚のドレイドルやルームメイトのロゴ、《パーム・ビーチ・ポスト》の記者のリズベズに・・・。

特に、心理描写がしつこく描かれているニコに、「何のためにそこまでしてウェスを追いかけるのか?」という必然性が感じられなくて、読んでいてイライラした。

別に美女である必要はないけど、リズベズも、もう少し魅力的に感じられたら良かったのにと思う。

《2008.6.18読了》
《2008.6.20記》

本の覚え書き/読了本


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Last-modified: 2008-06-20 (金) 20:10:12 (5781d)