はじめて生の落語を聞きに行ってきた。 第291回市民寄席。 昔の小学校の講堂に仮設の椅子が所狭しと並べられ、後ろ半分は床の上に仮設らしき台が置かれ、一段高くセッティングされている。席数は300ぐらい?いや、もっとかな。そこが満席。 夜7時開演の少し前に会場に入ると、すでに多くの人が席についていて、暑くて暑くて・・・。「落語といえば、扇子が必需品か!」と朝ドラの『ちりとてちん』を思い浮かべながら、ちょっと的外れなことを考えているうちに開演。 演目は、 正直、どの落語家さんも知らない人ばかりで、演目も聞いたことがないものばかり。ちょっぴり不安ではあったんだけど、最後まで笑わせてもらった。 ビジュアル的に一番おもしろかったのは、「蛇含草」。焼きたてのあつあつのお餅を、それこそ、腹はちきれそうになるほど食べるお話。餅を食べられるしぐさが、もう熱そうで熱そうで。見ているこちらまで、口の中をやけどしそうな気がした。 「牛ほめ」は、普請されたばかりの叔父の家を褒めに行くお話。出かける前に物知りの父親に入れ知恵をされ、覚えきれない与太郎はメモ書きをする。叔父の家でも懐に入れたそのメモを見ながら褒めていると、次々ととんちんかんなことをしてしまい・・・という内容。 この人のは、最初だったというのもあって、前ふりのネタが長めで、これがよくできすぎた話。「ええっ、ホントに!?」と思っているうちに演目がはじまって、「やっぱりはじめのお話で盛り上げなきゃダメなのね」と、なぜか噛んでばかりいた頃の草原兄さん(>ちりとてちんの)を思い出してしまった。 「金明竹」は、気の利かない丁稚が店番をしていると、次々と客がやって来て・・・というお話。最後にやって来る、中橋の加賀屋佐吉の使いが長々と話す早口の関西弁の口上が見せ場。そして、旦那に伝えて欲しいと言われたその口上を覚えきれない丁稚が奥さんを呼び、奥さんが帰って来た旦那に伝えた内容が・・・というのがオチ。三度話されても全然覚えられない口上なんだけど、「これはどういう意味?」と妙に気になってしまい、こちらも一緒になって覚えようとしてしまうような内容がミソだね。 「借家怪談」は、長屋を借りにきた人を、貸したくないばかりに怪談で追い返すお話。ところが、ヤクザな男がやって来て、追い返すどころか、こちらからお金を払う条件で貸すことになってしまう。ところが・・・。「怪談」というからにはもっと怖いのかと思ったら、本物の幽霊が出てくるわけでもないし、最後までドタバタな内容。この落語家さんの声が渋くて、「洋画の悪役の声の吹替えにぴったりだよ!」と、まるで関係のないことを思いながら聞いてしまった。 2時間弱で、1,500円。映画と変らないお手頃価格でたっぷり楽しませてもらったので、また日程が会えば行きたいな。 |