• 柴田よしき 『回転木馬』

連作短編集『観覧車』の続編となる小説。

失踪した夫・貴之の探偵社をひきついで私立探偵となった下澤唯の物語。

十年の月日を経て、偶然貴之を目撃した唯。失踪には佐渡出身の女性が関わっていそうだということをつきとめ・・・というのが前作。

失踪の理由をどういうものにするのか・・・それだけを知りたくて読むと、もの足りない結末かも。

あとがきによると、今回は、「夫捜しの途中で主人公が触れることになった女性たちのそれぞれの心の襞」が丹念に描かれているとのこと。

確かに、冒頭からさまざまな過去を持つ女性が登場。唯の夫捜しに大きく関わっていく。

貴之と唯が暮らしていたのが京都なので、冷泉(れいせん)通りの横を琵琶湖疎水が通っていて、そこの桜がきれいだとか、京都界隈の話がところどころで出てくる。

そして、琵琶湖の近くのマキノに、天然酵母で作ったおいしいパンが食べられる所があるとも・・・つい真に受けてネットで探したんだけど、見つけられず。小説の中だけの話かな。



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Last-modified: 2007-08-16 (木) 21:02:04 (6094d)