7月のはじめに見たのに、日記に書きそびれていた映画。 19世紀末のロンドンが舞台。全体の雰囲気はすごく好き。出演者も渋くていい。 マジシャンのカッター(マイケル・ケイン)の助手をしていたロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)の二人は、ステージ上の事故でロバートの妻が亡くなったことが原因で敵対するようになる。 X-MENのヒュー・ジャックマンに、『バットマン ビギンズ』のクリスチャン・ベイル。この二人もよかったし、最後まで重要な役を果たすカッター(マイケル・ケイン)もいい。 さらに、原作でもなかなかの変人ぶりを発揮していた実在の発明家ニコラ・テスラは、デヴィッド・ボウイ。久しぶりに見たので、「こんなに淡々と話す人だったっけ?」という印象だったのだけど、これもセリフはそう多くないのに存在感があってよかった。その助手はゴラム(『ロード・オブ・ザ・リング』の)。渋過ぎる。 先に原作を読んでいるので、見る前から違和感があって仕方がなかったのだけど、映画の宣伝方法を失敗していると思う。 Mr.マリックはじめ、日本のマジシャンたちが「宣伝」に登場。「マジシャンなのにタネがわからなかった」というような宣伝をしているのだけど、本来、この原作は、イリュージョンのタネを謎解きするのがメインの内容じゃないはず。しかも、そのタネも、今のマジシャンにはできないものだ。(少なくとも一方のタネは絶対に無理。) そして、『メメント』と同じクリストファー・ノーラン監督作品だということ。 これも、わかりにくい展開を期待させられるのに、実際にはかなりわかりやすい映画だった。長い原作をうまく脚色されていて、混乱せずに見られる。というよりも、わかりやすぎる結末が残念だ。原作を先に読んでいるので、核心部分を最初から把握して見ているというのを差し引いても、終盤にくどくどと説明し過ぎ。もう少し謎を残して終わってもよかったように思う。 原作はまさに、「信頼できない人物の視点で描かれた」もの。DVD『メメント』の監督インタビューを見て、この監督がこの映画を作りたかったのがよくわかっただけに、もう一捻りして欲しかった。 映画『プレステージ』 http://prestige.gyao.jp/ |