最初から最後まで、ジョニー・デップが出ずっぱりな映画。 「ジョニー・デップの着ているガウン、肩が破れてボロボロじゃん」、「なんで起きるたびに、そんなに髪の毛が爆発するのさ」、「黒い古めかしい帽子をかぶったおっちゃん、いかにも怪しげでいいねぇ」・・・ああだこうだ、しょうもないことを突っ込みながら見ていたら、まんまと騙されてしまった。 妻(マリア・ベロ)との離婚協議中の作家モート・レイニー(ジョニー・デップ)は、人里離れた一軒家に引きこもった生活をしている。そこに突然尋ねてきたのが、黒い帽子の見知らぬ男(ジョン・タトゥーロ)。自分が執筆したという原稿の束を握りしめ、「あんたは俺の小説を盗んだ」と言い放つ。そこから、レイニーの生活は狂い始める。 見知らぬ男を演じるジョン・タトゥーロが、いかにも怪しげで、存在感があっていい。ミシシッピからやって来てとかで、妙な訛りで話す。メーキングによると、特訓の賜物らしい。まあ、それができのいいミシシッピ訛りなのかどうかはわからないんだけど、この妙な響きが、悪役ぶりを引き立てていていい。 重要な舞台となる池は、モントリオールで撮影されたらしい。紅葉も美しくて、一度行ってみたい所。レイニーの住んでいる家も、何事も怖いことがなければ住んでみたくなるような家。・・・多分、ホラーに分類されるような映画だろうに、最後までのんきなことを考えて見ていたのはなぜだろう? 原作はスティーヴン・キングの短篇。そのうち読んでみよう。 見終わって、妙にとうもろこしが食べたくなる。翌日、早速買ってきて、網で焼いてかじりつく。・・・1本で十分だけどさ。 |