• 小野 不由美 『図南の翼』

十二国記なるシリーズの一冊。

今回は、いくつかの国を行き来しないし、自分が他の作品と併読していなかったので、最後まで一気に読む。

主人公の恭国の王・珠晶が、前作の『風の万里 黎明の空』にも出てきた生意気な少女(見かけは)だというのもあったので、入り込みやすかった。

先王が斃れてから27年。妖魔が徘徊するほどに荒んだ恭国。「恭国(このくに)を統べるのは、あたししかいない!!」わずか12歳の珠晶が、王を選ぶ麒麟に天意を諮るため、蓬山をめざす。

ものすごく生意気というか小賢しい少女が、黄海を越える蓬山までの険しい道のりの中で、困難やさまざまな人と出会うことで、成長していく・・という意味でももちろん読み応えがあったんだけど、妖魔と対決しながら蓬山を目指す・・・冒険小説としても楽しめた。黄海で騎獣を狩る猟尸師(りょうしし)である頑丘や剛氏(ごうし)たちの黄海を旅する術(すべ)、考え方がよく描かれている。

しかし、作者のあとがきによると、文庫本で400ページを超すこの作品も「番外編」なのだそう。早く次の作品を読もうっと。



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Last-modified: 2007-05-23 (水) 21:14:05 (6181d)