話題作・・・なので、内容もよく知らないまま見に行ってきた。 見ていておもしろい映画ではあったのだ。楽しいということではなくて、それぞれ別の場所で起こった事柄が、少しずつ交わってきて、謎が解けていくようなおもしろさ。 しかし、見終わってみて、「これはどういうことだったの?」という疑問がいくつか残ったのと、なによりも、主題がよく読めなかった。 見終わった直後は、「ある人物が、多分、善意で行ったことが、回りまわって、大きな悲劇を生んだっていうこと。人は、所詮、バベルの塔の上の神の領域には行けないっていうこと?」・・・旧約聖書をじっくりと読んだこともないやつなので、バベルの意味もよく理解していない。わかったような、わからないような、勝手なことを考えながら映画館を出てきたのだ。 帰ってからネットで公式サイトを見てみると、 「バラバラにされた私達が、再びひとつにつながるには、どうすればいいのか―?その答えを秘めた銃弾が今、放たれた。」 バベルというのは、旧約聖書に出てくる町の名前だよね。町の人々が天まで届くバベルの塔を建てようとした。それが神の怒りに触れ、統制を取れなくするために、人々に別々の言葉を話させるようにした。 その「言葉を分かたれた人間たち」がモロッコ、アメリカ、メキシコ、日本と別々の場所にいる人たちで、 「モロッコの片隅で放たれた銃弾が、アメリカ、メキシコ、日本の孤独な魂をつなぎ合わせていく。」 う〜ん、どうも考えていたことと、映画の意図とは違った模様。でも、よくわからない。 登場人物は、アメリカ人夫婦を演じるブラッド・ピットとケイト・ブランシェットも、メキシコ人の子守の女性と子供たち、女性の甥、モロッコで銃弾を放つことになる男の子二人・・・それぞれがよく描かれていて、よかったと思うのだ。特に、羊を狙うジャッカルの対策に、父親から銃をもらった二人の兄弟の、お互いの競争心からとんでもないことをしてしまったというやりきれなさ。この二人はたくさんの登場人物の中で、キーにもなるので、すごく存在感があった。 しかし、菊地凛子演じるチエコの人物像は、なんともしっくりこない。父親役の役所広司も。何でこの二人が、都心の超高級高層マンションに住んでいるのかも謎。 映画 バベル http://babel.gyao.jp/ |