• 島田 荘司 『最後の一球』

「ロシア幽霊軍艦事件」のあった1993年の夏・・・から2ヶ月ほどが経ち、山梨県の秋山村で美容師をやっているという青年が、御手洗と石岡のところを訪ねてくる。

母親の遺言状についての相談?・・・美容院のお代を自分の店で焼いたお好み焼四つですまそうとするおばさん・・・母親の自殺未遂・・・のらりくらりとした内容が、いつのまにやら道徳ローンという消費者金融の話に。

さらに、道徳ローンが入るビルの屋上での火事。

 「二番手の男」が投じた友情と惜別の一球が御手洗も諦めかけた「事件」を打ち砕く!
 「奇跡が起こったよ石岡君」心躍る感動の青春ミステリー。御手洗潔シリーズ長編。 

半分以上が、この「二番手の男」の手記。野球少年、人一倍努力して甲子園にも出場、プロになれずに社会人野球へ、それがひょんなことから・・・。

彼の野球人生が事細かに書かれていて、まるで見てきたような気分になる。だけど、かなりくどい!謎解きに悩むような内容じゃないので、一気に読み通してしまえばいいんだろうけど、途中からしんどくなってきて、他の本と並行しながら少しずつ読み進む。

熱血野球青年を主人公にした、消費者金融の問題を扱った社会派小説・・・なのか?

なんか、煙に巻かれたような、不思議な読後感。御手洗さんも、無理に登場させなくてもよかったような・・・。



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Last-modified: 2007-04-25 (水) 20:11:43 (6208d)