• 荒俣 宏 著『レックス・ムンディ』

『ダ・ヴィンチ・コード』の解説をこの人が書かれていて、この本がおすすめされていたのだ。

「キリスト教の聖杯伝説について別の視点から解説した本」かと思って、内容も確かめず図書館で予約。窓口で受け取る取る時に怪しい表紙を見て、「げげっ、なんなんだ、これは!」とちょっと後悔。読み始めたら、解説書じゃなくて、小説。さらに後悔・・・でも、とりあえず最後まで読んでみることに。

『レックス・ムンディ』は世界の王。

主人公の青山譲は、考古学者でありレイハンター。謎の宗教団体からの依頼を受け、彼がかつて聖地レンヌ=ル=シャトーで発掘し、あまりのおぞましさに自ら封印した石棺をふたたび暴くために、聖地のあるフランス南部へ向かう。

考古学者が僻地でかかる病気とか、聖地ラインとか、レンヌ=ル=シャトーの伝説とか、キリストとマグダラのマリアについてとか、薀蓄満載。なんせ、500ページ以上もある本。

でも、話の流れでなくてもいいような薀蓄が多過ぎるし、主人公や登場人物がいきなり激情したりするのにもついていけない。ある程度主人公に感情移入しながら読めると楽なのに。主人公のキャラクターと青山譲という名前も、なんか馴染まなくて、最後まで違和感があった。じゃあ、なんて名前がいいのかと聞かれても思いつかないんだけど・・・。

ラストに明かされる青山譲が驚愕する真相についても、予想通りという感じで、こっちはちっとも驚愕できないからますます疲れた。

膨大な資料をもとに書かれているということはよくわかったので、素直に解説書として読みたかったな。

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Last-modified: 2006-07-05 (水) 20:09:16 (6503d)