• 小野 不由美著『くらのかみ』

ミステリーランドの一冊。

「四人ゲーム」。まっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームだ。とうぜん四人では成立しないはずのゲームを始めたところ、忽然と五人目が出現した! でもみんな最初からいたとしか思えない顔ぶればかり。

読み終わってからネットで書評を見ていたら、「本格ミステリ」とあって意外だった。確かに、一人増えた子供がキーになっているし、最後にそれが誰だったかが明かされるんだけど、「ふ〜ん、そうだったんだ」という感じ。「伏線がどこにあったのか」と読み返してみる気にもなれなかった。

古い豪壮な屋敷に、後継者選びのため親族一同が呼び集められるという設定。話し合いを持つ大人たちとは別に、初対面の子供達が集まって遊びはじめる。家の中を探検したり、怖い言い伝えのある沼を見に行ったり、食事に毒草が混ざっていた事件をきっかけに探偵のような真似をはじめたり・・・。自分にそんな田舎があるわけでもないのに、なぜか懐かしい気がする。ストーリー展開よりも、その雰囲気を味わわせてもらった作品。

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Last-modified: 2005-02-10 (木) 20:53:03 (7015d)