• 篠田真由美著『魔女が死んだ家』

かつて子どもだったあなたと少年少女のために刊行された“ミステリーランド”の1冊。

三部構成。第1部が「子どもは昨日のことを語る 母の生と死、そしてほかのことも」、第2部が「男たちはそれぞれ過ぎた日の記憶をたどる その女の生と死、そしてほかのことを」、第3部が「少女はなにも覚えていないまま 見知らぬ男に導かれて廃屋へと足を踏み入れる」。

洋館の密室で死んだ美しい女性。関係者の証言で、魔女と呼ばれた女性や先祖から棲み続ける立派な洋館、しだれ桜のある庭のイメージが浮かびあがり、事件の真相が明かされていく。挿絵にも影響されて、頭の中で少しずつイメージが結ばれていくような作品。

この人の本は建築探偵シリーズしか読んだことがなかったのだけど、密室についての謎解きは建物好きのこの人らしい。最後まで名前を明かされない探偵役は、ひょっとするとこのシリーズに登場する彼かも・・・。

あとがきにあたる「わたしが子どもだったころ」が、子ども達が読むことを念頭において書かれた文章で心に残った。

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Last-modified: 2005-01-19 (水) 19:51:08 (7037d)